演出家プロフィール

相模友士郎さがみ・ゆうじろう) 

1982年福井生まれ。演出家。2009年に伊丹に住む70歳以上の市民との共同制作舞台『DRAMATHOLOGY』を発表し、翌年フェスティバル/トーキョー10に正式招聘される。2012年にダンス作品『天使論』を発表。各地で再演し、TPAM in YOKOHAMA 2015では国際コラボレーション作品として上演。その他の作品に『それはかつてあった』(2013)、『ナビゲーションズ』(2014)、『スーパーインポーズ』(2016)など。様々なコミュニティの中に入り込み、そこにいる人々と共同しながら、見るという身体的経験を問い直すような舞台作品を発表している。

村川拓也 (むらかわ・たくや) 

1982年生まれ。演出家・映像作家。ドキュメンタリーやフィールドワークの手法を用いた作品を演劇、映像の分野で発表している。虚構と現実の境界に生まれる村川の作品は、表現の方法論を問い直すだけでなく、現実世界での生のリアリティとは何かを模索する。主な作品に『ツァイトゲーバー』、ドキュメンタリー映画『沖へ』など。『ツァイトゲーバー』は各地で再演され、2014年にはHAU Hebbel am Ufer(ベルリン)にて上演。また、2015年に韓国・光州Asia Culture Center-Theaterにて滞在制作を行う。セゾン文化財団助成対象アーティスト。

和田ながら (わだ・ながら)

 京都造形芸術大学芸術学部映像・舞台芸術学科卒業、同大学院芸術研究科修士課程修了。20112月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、京都を拠点に演出家として活動を始める。日常的な視力では見逃し続けてしまう厖大な細部を言葉と身体で接写するような作品を制作。主な作品に『はだあし』(2011年)、『わたしのある日』(2015年)、『文字移植』(2016年)など。2015年、FFAC創作コンペティション「一つの戯曲からの創作をとおして語ろう」vol.5最優秀作品賞受賞。したためは2015年よりアトリエ劇研創造サポートカンパニー



太田省吾(おおた・しょうご)

1939年、中国済南市に生まれる。1970年より1988年まで転形劇場を主宰。

1978年『小町風伝』で岸田國士戯曲賞を受賞。1960年代という喧騒の時代に演劇活動を開始しながら、一切の台詞を排除した「沈黙劇」という独自のスタイルを確立する。代表作『水の駅』は沈黙劇三部作と称され、現在でも世界各地で作品が上演されている。また、『飛翔と懸垂』(1975年)、『裸形の劇場』(1980年)など、数々の演出論、エッセイを著している。

  転形劇場の解散後は、藤沢市湘南台文化センター市民シアター芸術監督、近畿大学文芸学部芸術学科教授を経て、2000年の京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科開設や、続く2001年の同学舞台芸術研究センターの開設に深く関わり、日本現代演劇の環境整備に力を注いだ。2007年、67歳で逝去。